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ここでは、KEIRUを通して知ったことや、経験したことなどを
ご紹介していきます。

一番新しい書き込みが、一番上になっています。
最初から順番に読んでみたい方は↓ここからどうぞ。(*^-^*)

過去の『あれこれ・・・』のリストへ(^-^)/




盲導犬

4/17/'02up!

今日は、KEIRUが盲導犬デビューをした記念の日。(^^)
そこで、盲導犬のことについて、もう一度考えてみたいと思いました。
KEIRUが来てからの4年の間に、テレビでは盲導犬を見る機会が増えました。
また、小学校の教科書にも取り上げられたり、盲導犬関連のサイトも
確実に増えてきています。
でも、実際の盲導犬の数はどうなのでしょう?
私には、目に見えて増えたとは思えません。
「盲導犬を理解してください!」なんて言っても、本当の意味での理解は、
まだまだ、これからなのではないでしょうか?
盲導犬には触ってはいけない。募金をしましょう。お店には入れるように
しましょう。とか、そういうことだけが問題では無いと思います。

先日、電車から降りてホームを歩いていると、白杖を持った男性が
歩いていました。
体の大きさは、山本くんくらい。年齢はちょっと若いかな?(^^)
杖で歩いていたとしても、問題が無ければ声をかけるつもりはありませんでしたが、
彼は、ホームの柱のひとつひとつにぶつかりそうになったり、
ベンチやゴミ箱なども、杖で調べながら歩いていました。
杖で歩くということはそういうことです。
目のかわりに杖で調べて歩いているのです。
山本くんも以前は、そうやって歩いていたのです。
それが、KEIRUが来てからは、その頃の歩き方とは大きく変わりました。
私がおいてけぼりになってしまうくらいサッサカ歩くのです。
最近、KEIRUと一緒の山本くんばかり見ていますし、お友達も盲導犬の
ユーザーさんだったりしていましたから、白杖で歩く人と出会ったのは
久しぶりでした。
「どちらまで行きますか?」と訪ねると、私と同じ方向だったので、
「では、一緒に行きましょう!」と腕を貸しました。
KEIRUと同じ仕事をしてきました。(^^)
『この人にも、盲導犬が居たら、楽に歩けるんだろうな。』って
勝手に思ってしまいました。
でも、視覚障害者がみんな、盲導犬を欲しいと思っている訳では
無いそうです。
欲しいと思わない理由も、いろいろあるそうです。
白杖で歩いて問題が無いから、盲導犬はいらない。と言う人もいます。
盲導犬と暮らせる住宅事情では無い人もいます。
職場に連れて行けないから、諦めている人もいます。
また、4週間も、仕事を休んで盲導犬の訓練を受けられないから
諦めてしまった人もいるそうです。
盲導犬の数が少ないだけが問題では無いのです。
山本くんも、白杖で歩いていた時は、盲導犬なんていなくても。って
思っていたそうです。
そして、今、感想を聞くと、「盲導犬の良さは、持ってみないとわからない!」と
言います。
もちろん、盲導犬は生き物ですから、食事や排せつの世話、お手入れ、
予防接種などの病院通い、訓練、しつけ、などなど仕事も増えます。
それでも、持った方が遥かに良いと言っています。
そういう私も、KEIRUを知るまで、盲導犬は可哀想だと思っていました。
盲導犬を増やすこと・・・
それは、お金だけの問題では無いということ。
盲導犬を安心して持てる社会(人の気持ち)を作らなければいけないのです。
また、盲導犬を手に入れないでいる人がいたなら、私たちが、
ビジター盲導犬になれるということも知って欲しいと思います。
どこに行っても、ビジターの盲導犬が居たら、視覚障害者だって、
もっと外に出て行けると思うのです。
少なくとも、外に出たいと思う人にとって、気楽に出られる世の中に
なって欲しいと思います。




八重桜の頃

4/7/'02up!

KEIRUが山本くんの所にやってきたのは、八重桜がとてもきれいな
春の日のことでした。
盲導犬として歩くKEIRUを初めて撮影したのも、街路樹の八重桜の下でした。
さっき、山本家から帰る途中にその道を通ると、もう八重桜が咲いていました。
KEIRUがデビューしたのが4月17日なので、今年は10日も早いのですね。

今日のKEIRUも、いつものようにKEIRUらしく、おもしろく可愛い奴でした。
まだ4年しか経っていないとも思えるし、もう4年も過ぎてしまったのかとも
思えるくらい、山本くんとKEIRUはいいコンビになっています。
私にとっても、八重桜がKEIRUを連想させることになろうとは
思ってもいませんでした。
いえ、どんなものも、KEIRUに結びつけてしまいますね。(笑)

さあ、KEIRUは、盲導犬として5年目になります。
「KEIRU!これからも、元気で、KEIRUらしく、
山本くんや私たちを勇気づけていってね!大好きだよ!」




嫌われちゃった山本くん

4/1/'02up!

今日は、エイプリルフールですが、本当の話です。(^^)

先日、山本家に遊びに行った時、山本くんが言いました。
「KEIRUは、ガムで音を鳴らすのが本当に嫌いみたいだ。」と。
山本くんは、ガムを噛むとパチンパチンと鳴らす癖(?)があって、
それをするとKEIRUが嫌がるという話を、以前聞いたことがありました。
それから、何年か経っていましたが、本当に嫌いだとわかったのだそうです。
なぜなら、音を鳴らすと、KEIRUがそーっと部屋から出て行ってしまう
からなのだとか。
KEIRUは、どんな時でも山本くんと一緒に居たくて仕方ないワンコなのに、
そんなことが本当にあるのだろうか?と思いました。
そして、本当かどうか試してみることになりました。
山本くんとKEIRUと私は、同じ部屋に居ました。
山本くんはテレビを見ていました。
KEIRUは自分のベッドでウトウトしていました。
私はパソコンに向かったふりをして、KEIRUを意識しないようにしていました。

さあ、いよいよ実験です。
「パチン!パチン!」
眠っていたKEIRUは、むくっと起き上がり、静かに、隣にあるキッチンに
行ってしまいました。
ええ〜〜っ!!本当だぁ〜〜〜!!
山本くんと私は、必死に笑いをこらえました。(^_^;)
そして、私はKEIRUを迎えに行きました。
「KEIRUぅ〜。どうしたの?こっちに戻っておいで。」
KEIRUはしばらく躊躇していましたが、そんなに言うのなら・・・という
感じで私に付いてきました。
でもでもねっ、山本くんのことを意識して避けているのです。
部屋のすみっこを歩いて、山本くんと一番離れている所に座りました。
そして、座ったと思うと山本くんの方をうらめしそうな顔をして見て、
次の瞬間、立ち上がって、またキッチンに行ってしまったのです。
KEIRUは、本当に嫌いなのだとわかりました。
再び迎えに行きました。KEIRUは、今度は、私とパソコンの間(30センチ
くらいしか空いていない)に座って私に寄り掛かってきました。
明らかに、逃げ込んできたのがわかりました。
山本くんが「KEIRU。カム。」なんて呼んでも行こうとしません。
無理矢理、KEIRUを抱えこもうとしても、KEIRUは逃げてしまいます。
「ガムを噛んでいるから、また鳴らすと思っているんじゃない?」と
私が言うと、山本くんは、また「パチン!」と鳴らしました。(^_^;)
そして、KEIRUは、また逃げて行ってしまいました・・・。
「かわいそうだから、もうやめようよぉ。」と、やっとのことで、
ガムを捨てた山本くんでした。
KEIRUは、『やれやれ・・・』という顔をしていました。
KEIRUの引き寄せに成功した山本くんは、KEIRUに謝っていました。
いつか、KEIRUが家出することが無いと良いのだけれど・・・。





山本さんケイルくんマーチ

3/28/'02up!

3年前、山本くん&KEIRUが訪問した小学校の子供たちが
歌を作ってくれたと紹介したことがありますが、常連さんの中には
覚えていて下さる方もいらっしゃるでしょうか?
山本くんは、その歌を、どうしてもみんなにも聞いてもらいたいと
試行錯誤して、とうとう実現に至ったようです。
山本くんのサイト石炭袋の中からのコンテンツに加わりました。
私も、みんなに聞いて欲しいので、ここに抜け道を作っておきますね。
山本くんケイルくんマーチ




びびったぁ〜〜!

3/3/'02up!

山本くんとKEIRUとご飯を食べに行きました。
歩いて15分くらいのレストランまで、お散歩を兼ねて出かけました。
しばらく歩いていると、「ちょっと、こっちの道に行ってみたい。」と 山本くん。
どうやら、裏道に、そんなに混まない郵便局があると
知り合いから聞いたらしく、実際に行ってみたいということでした。
夜でしたので、住宅街のその道は、決して明るくはありません。
先客で小さな犬を散歩させている男性が居ましたが、その表情は
わかりませんでした。
すると、急にヘッドライトにパァーっと照らされました。
裏道なので、車がかなりのスピードを出して通り過ぎるのです。
山本くんに、この道は車がスピードを出して通るから気をつけてね。
と言うと、道を教えてくれた知り合いも、同じ事を言っていたと
答えました。
小さな犬を連れた男性は、片手にタバコを持っていました。
キープレフト(左側通行)を守ろうとするKEIRUが、そのタバコの火に
当たるんじゃないかと、ちょっとヒヤヒヤ。
と言うのは、男性が、私たちの事に気付いていない風だったからです。
幸い、何ごともなく、その男性の横を通り過ぎました。
追い越してすぐ右側に、郵便局はありました。
階段4段くらい上がってから建物に入る構造です。
一度行っておくと、山本くんもKEIRUも、また来やすいと思ったので
真っ暗な誰も居ない郵便局の階段に行ってみました。
階段を登るすぐ横にポストがありましたので、「ポストもあるよ。」と
言うと、山本くん&KEIRUは、試してみようとしました。
ちょっと離れた所で、見守っていたその時。
KEIRUのすぐ後ろ2メートルくらいの所に、一匹の犬が居るのです!
さっき見かけた小さな犬ではありません。
輪郭からすると、KEIRUの3分の2くらいの大きさの雑種みたいでした。
その犬は、ノーリードで、一匹でKEIRUの方をじーっと見つめて
立っていたのです。
何しろ、表情の読み取れない暗さです。
犬がどんな表情(友好的なのか、敵意を持っているのか)もわかりません。
山本くんとKEIRUは、ポストの訓練をしようと夢中になっていますから、
そのことにも全然、気付きません。
私は、「い、犬がいるっ!ノーリードでKEIRUのすぐ後ろ!」と言いました。
でも、山本くんたちには「え?何のこと?」って感じで、私の焦りが
伝わっていないみたいでした。
もう、それ以上の言葉にはならなかったので、山本くんをひっぱって
その場を離れました。
キープレフトしていると時間がかかるので、グイグイと山本くんを
ひっぱって連れて来てしまいました。(^_^;)

後で思えば、そのノーリードの犬は、他の犬を見かけたからといって、
飛びかかったりしない犬なのでしょう。
でも、知らない人にとっては、わかりませんものね・・・。
そこが、めったに他所の人が来ないような所であればまだしも、
住宅街ですし、大きい犬から小さい犬まで、犬の人口も多い地域です。
考えてみて欲しいと思いました。




とっても嬉しいです。

1/15/'02up!

去年の出来事ですが、お許しください。(^_^;)
KEIRUが入店拒否をされた話を書いた後で、一通のメールを頂きました。
その方は、飲食店で働いている方でした。
KEIRUたち盲導犬が入店拒否されていることを知り、
心配して下さいました。
そして、自分たちはどのように対応したら良いのでしょうか?と
質問して下さったのです。
今まで、ナースをしている方からの問い合わせはありましたが、
飲食店関係の方からは、初めてでした。
自分に出来ることは?と一歩踏み出せるって素敵な事だと思います。
そして、そういう勇気は、周囲を暖かくしてくれますね。
私も、最近、更新が滞りがちな管理人をしていますが、
「まだ、続けよう。」と思わせてもらえます。(笑)
読んで下さるみなさんに背中を押され、KEIRUにシッポで叩かれ、
がんばらなくちゃと思えます。ありがたいことです。(笑)



そんな言い方って・・・。

12/17/'01up!

入店拒否されそうになった時のお話です。
私はその場に居た訳ではありませんが、その話を聞いて、
悲しくなったので書かせて頂きます。
山本くん&KEIRUは、お友達と一緒にとあるレストランに行きました。
入ろうとすると「犬は・・・」と断られました。
盲導犬だと説明すると、責任者らしき人が出てきたそうです。
盲導犬であると言っても、すんなり入れてくれませんでした。
しばらくして、お友達が同伴だと気付き、
「目の見える方もご一緒ですか?」と聞いてきて、
「そうです。」と答えると、
「でしたらいいです。」と言って、入店を許可してくれたのだそうです。

みなさんは、どう思いますか?
私は、悔しくて仕方ないです。
一緒に居たら、どうしてそんな言い方するのか?って
聞いてやったんですけどね・・・。(^_^;)
そう言う私も、日常、うっかりして他人を傷つけるような言葉を
発してしまう事があります。
ですから、本当は、他人を非難する資格は無いのかもしれません。
ですが、最近、よく思うんですよね・・・。
他人を傷つけている事に、気付いていない人が多いと・・・。
私も、もっと気を付けなくては。(^_^;)




KEIRU、南の島上陸大作戦

10/17/'01up!

これこそ、本当の大作戦でありました。
実は、KEIRUが、今日から南の島へ行くことになったのです!
あ、もちろん山本くんと一緒にね。(^^)
「ふぅ〜ん」って思っただけの方、そんな簡単に思ったら大間違い!
その南の島は、検疫が厳しく、今までに盲導犬が行ったことのない島だったのです。
近年、少しは緩和の動きがあるとのことでしたが、それでも、
まだ、どの子も行ってないのですから、何とも言えませんよね。

KEIRUが、何故、南の島に行くことになったのか?
その答えについては、山本くん本人が自らのHP「石炭袋の中から」
南島通信でリアルタイム旅行記を書くことになっているので、そちらを
ご覧くださいね。

KEIRUが南の島に行くにあたり、何をしたら良いのか?
誰も教えてくれない中、その島に暮らす友人が、いろいろと動いて調べて
くださったのでした。
それについては、その友人のHP「No Place Like Home」の「飼育日誌」の10/13から読んでくださいね。
日誌では、さらっと書いてくださっているけれど、本当は、そんなものでは
なかったと思います。
何せ、見えない敵(?)と戦ったのですもんね。(笑)
その行動力は、とても素敵でした。
強い味方もいっぱい引きずりこみ(ごめんなさい)、着実に進めてくださいました。
それに、彼女は、KEIRUだけのためだけに動いてくださったのでは
ないのです。KEIRUが行くことによって、他の盲導犬にも道が出来るからって。(^^)

その島に行くことがギリギリの発表になったのも、いろいろ理由がありました。
その辺も、二人のHPでおわかりになると思いますが、一番の理由は、
エントリーパーミッドがつい数日前に降りたばかりなのです。
急に行くことになった訳ではなかったこと、その道はすごく長かったこと。
そして、後に続く道であること。
お知らせしたくて、書きました。
山本くん&KEIRUは、その島の学校訪問もする予定です。
日本人学校の子供たちと会うのです。
どんなことが待ち受けているのでしょうね。

★その後、KEIRUが南の島に滞在していた時の写真が公開されました。
『YK上陸大作戦 作戦成功! 
山本くん&KEIRU in ぐわむ〜 やまちん』
をとくとご覧くださいませ。




続・梨作戦

10/14/'01up!

山本くんのパソコンのメンテなどをしていたら、食事を済ませた
KEIRUはすっかり寝入ってしまいました。
ご飯の前は、何かとソワソワし、山本くんの一挙手一投足にも反応し、
すべてを、自分のご飯に結び付く動作であるかのごとく期待するKEIRUですが、
食事が終わってしまうと、もう、今日の仕事は終わったぁ〜てな風で、
ドロンと眠りに入るのです。(^^)
今日の眠りも、激しい眠りでした。
寝言は言いませんでしたが、体中をピクピク痙攣させたり、動かしたり。
「何かに変身しちゃうんじゃない?」って冗談を言いながら、山本くんと私は、
作業をしていました。
私たちの会話にも動きにも反応することなく、KEIRUは変身しようと
していました。

一段落したとき、「あ、冷蔵庫に梨があるんだった。」と思い出し、
私たちは隣室に移動しました。KEIRUはまだ変身していました。
「KEIRU、起きると思う?」とか、
「いつ気付くかなぁ?」などと、またまた観察のはじまりです。
先日同様に、冷蔵庫から梨を出して洗ってもKEIRUは起きていません。
(チェーンの音が聞こえません。)
そして、包丁を出そうと扉を開けたら、「チャリン」。
やっぱり、この音がポイントになっていました。
KEIRUは、隣の部屋の出口まで移動して来ていました。
こちらを覗いたりはしていませんが、すぐ隣の入り口に居ることは
間違いありません。
山本くんが「KEIRUは、いつ来るかなぁ?」と言うので、
「私たちの会話の中に『KEIRU』って言葉が入ってたら、絶対に来るよ。」と
私が答えました。
すると、山本くんは少し大きな声で呼びました。
「ノエル!」・・・・KEIRUは反応しません。
「キール!」・・・これも反応無しです。
私もどさくさに紛れていろんな名前を呼んでみました。
「インディー!」「リンゴ!」などなど。
そして、山本くんが「カエル!」と言ってみました。
KEIRUは嬉しそうにシッポを振ってやってきました。
「カエルって言ったんだよ〜。」と山本くん。
でも、もう、テーブルの横で座って構えているKEIRUが居ました。(^^)





KEIRUの揺れ動く気持ち

10/6/'01up!

山本くんの家に遊びに行く時の何よりもの楽しみが、KEIRUの歓迎を
受けることだったりします。
玄関まで出迎えてくれる事もあれば、階段の上でシッポ大回転で迎えて
くれたり、体当たりだったり(心と体の準備が必要)と、毎回いろんな
歓迎があるのです。

山本くんの家は治療院を兼ねています。お客さんがいらした時に、
KEIRUが大歓迎の体当たりをしてしまうと大変なので、
2階から勝手に降りて来るのはイケナイ事だと教えられています。
そのため、玄関まで降りて歓迎するのは、山本くんが仕事をしていない時
(そばに、山本くんが居る時)に限っているような気がします。
山本くんは、インターホンで私の訪問を知ると、次にKEIRUが玄関に
迎えに行きたがるのもわかります。
なので、時に、そのまま許したり、「ウェイト!」とKEIRUが出て行くのを
止めたりといろいろなのです。
ウェイトと抑制されているKEIRUは、「OK!」の合図を待ちます。
エネルギーを充電するかのように、待たされれば、待たされる程、
KEIRUのパワーは増して行きます。
上半身を低くして構えたKEIRUは、シッポをユサユサと振って待ちます。
そして、「OK!」が出ると、弾丸の様に私に飛びついてくるのです。(^_^;)
楽しいのですが、かまえていないと負けてしまいます。
それで、心と体の準備が必要だと上に書いた訳であります。

先日、訪問した時は、1階に山本くんが居ましたので、「ちょっと
近所で買い物してくるね。荷物をここに置いておくから。」と
言い残して、出かけようとしました。
2階に居るKEIRUに会わないで、出かけようとしたのでした。
私の声に気付いたKEIRUが、階段の上から私を見つめていました。
「どうして来ないの?」と言いたそうな寂しそうな表情ですが、
「すぐに戻ってくるからね。」と言い残して、買い物に行きました。

山本くんの家の前にあるスーパーで買い物を済ませ、外に出ると、
雨がポツポツと降り始めていました。
横断歩道が赤信号になってしまったので、濡れないように少しでも
雨を避けられる所は無いかなぁ?と上を見上げた時でした。
山本くんの家の2階の窓の所に、KEIRUが見えたのです。
KEIRUは、私を真剣な眼差しで見つめていました。
確信は持てないながらも、多分あれは桃だろう、と思ったのでしょう。
KEIRUの気持ちがストレートに伝わってきました。
思わず、KEIRUに向かって大きく手を振っていました。
KEIRUは、私であると確認できた様です。
窓のすぐ下を通りかかったとたんに、KEIRUの姿が消えました。
そして、ドアを開けたら、そこにKEIRUが居ました。
全身全霊の体当たり歓迎でした。(笑)




さりげなく大胆な?

10/1/'01up!

以前、KEIRUが林檎好きだとお話しましたが、梨も好きな様です。
いや、本当は、美味しいものは何でも好きなのでしょう。(笑)
ただ、私たちが林檎や梨を食べる時、丸かじりするよりも、皮を剥いて
食べますよね。それが、KEIRUにとってはチャンスになっているのです。

先日、山本家を訪問中に梨を食べることになりました。
KEIRUは、既に食事を済ませて、隣室でスヤスヤ眠っていました。
山本実家では、林檎に包丁を入れる音でコタツから飛び出してきた
KEIRUでしたが、梨ではどうでしょう??
KEIRUがどの様な行動に出るのか、山本くんと、ちょっと期待していました。
テーブルの上で、梨に包丁を入れました。「ザクッ。」
でも、今回は、KEIRUの首輪のチャリ〜ン(動いた音)が聞こえてきません。
「さすがのKEIRUも、眠気には勝てなかったのね。」などと話しながら、
梨を頬張っていました。
しばらくして、向かい合って座っていた山本くんが、少し横に体を
動かした時のことでした。
なんと、隣室から、KEIRUが首を出して、こちらを覗いるのが見えました。(^_^;)
山本くんの体で影になっていて、私からは見えなかったのでした。
KEIRUはいつから覗いていたのでしょうか?
そのことを山本くんに教えてあげました。
「KEIRUが、こっちを覗いているよ!」と。
すると、その言葉の中に「KEIRU」という名前が入ったのを良いことに
してしまったのか、KEIRUは、こちらの部屋に乱入してきました。
そして、すがるような顔をしながらも、大人しくチョコンと座りました。
KEIRUの作戦は成功です。
自分のボウルに梨を分けてもらい、美味しそうに食べていました。

それから数日後、また梨を食べる機会がありました。
山本くんと「KEIRUは、いつ反応するんだろうね?」と
前回よりも注意深く観察してみることにしました。
冷蔵庫から梨を取り出し、水道で洗いました。
まだ、隣室から音は聞こえてきません。
次に、流しの扉を開き、包丁を出そうと「バタン!」と音をさせた時です!
「チャリ〜ン♪」と音をさせて、KEIRUがこちらを覗きに来たのです。(笑)
山本くんと私は大笑いしました。
「まだ剥いてないよ〜!!」
KEIRUは、大笑いする私たちのドサクサに紛れて、またしても
乱入してきてしまいました。
山本くんはKEIRUに言いました。
「包丁で喜ぶワンコなんてアンタぐらいだよ。
これじゃ番犬になれないよ。」って。(^_^;)

KEIRUは、隣室から勝手に出てはいけないというルールがわかって
います。
ただ、時々、出て良いきっかけを自分なりに作ってしまうのです。
それが、私たちの笑いだったり、KEIRUという名前だったり、
山本くんや私が移動した時に何気なく付いてきてしまう、だったり。
そのさりげなさが、KEIRUの成長を感じさせます。
とんでもないことはせず、これくらいはいいだろうと判断しているのが
よくわかります。それが、まんざら外れてはいないのです。
本当の意味で、やってはいけないこと、笑って許されることを
わかっているのでしょう。




KEIRUは盲導犬だったんだね。

9/14/'01up!

久しぶりに、山本くん&KEIRUと外を歩く機会がありました。
このところ、KEIRUに会うことがあっても、山本家を訪ねるばかりで、
一緒に出歩いたりする機会がありませんでしたので、ハーネスを付けた
KEIRUの姿に、おおーっ!という感じでした。
そして、階段の踊り場でも、しっかり止まって合図してる姿に、
「KEIRUって、すごいっ!!」と改めて感心してしまいました。

家の中でのKEIRUは、「もう6歳なんだから〜!」と言いたいくらいの
ヤンチャ坊主です。
久しぶりに訪れた私を迎えてドタバタ暴れ回り、山本くんから
叱られることもしばしば。(笑)
もちろん、聞き分けは良いですし、自分がふざけているなぁということは、
百も承知なのです。
ふざけていたら、いつかは叱られることも、彼はわかっているのでしょう。
それなのに、わざとふざけて楽しんでいるKEIRUの姿は、ひょうきんで、
盲導犬というよりも、コメディアン犬のようです。
近頃は、お笑い犬としてのKEIRUとしか会っていなかったので、
外での凛々しくも頼もしい姿は、家の中ではグ〜タラな父さんが、
職場でキビキビとカッコ良く働いているのを知ったような感じと
似ているかもしれませんね。(^^)




拒否されちゃいました・・・。

8/2/'01up!

とうとう、レストランで入店拒否に遭ってしまいました。
山本くん&KEIRUにとっては、2度目の事だそうですが、
桃にとっては、初めての出来事でした。
(1軒目は京都だったそうです。)
何がショックかと言えば、そのお店は、山本くんの家のご近所。
2年前のカレンダーの撮影で、お邪魔したことのあるお店でも
あったのです。
あの時に、「今度、食事に来ても良いですか?」と尋ねた時には、
「いらしてください。」と心良く言って下さっていたのにです。
なのでなので、全く、臆することなく行ったのでした。
それだけに、ショックは大きかったです。
しかも、席に案内された後に、断られました。
接客係の女性は、オーナーの指示で断ってきました。
理由は、前に犬を入れて問題になったからと。
盲導犬が問題を起こしたのか?と訪ねると、女性はオーナーに
聞きに戻り、それは、盲導犬では無かったけれども、盲導犬も
入れる訳にはいかない。という返事でした。
盲導犬の今後の事もありますので、説得してみましたが、
その女性では話にならないので、オーナーと交渉したいと申し出ましたが、
それさえも受け入れられませんでした。
話に来られないのは、忙しいから・・・と言う理由でしたが、
途中で、シェフらしき人(オーナーだと思える)が、
室内の様子を見にきていましたので、
もう、交渉する気持ちも無いんだな・・・とわかりました。
間に入った女性も可哀想になりましたし、他のお客さまの御迷惑に
なってもいけませんので、諦めることにしましたが、
そのお店には、本当に、ガッカリしました。
せめて、こちらに納得の行く答えをして欲しかったです。
犬嫌いだったら、仕方ありません。
何が何でも食べてやる!と思っている訳ではありませんから。
いえ、正直に言うなら、断られた時点で、食べたい気持ちなど
無くなっています。
短気な桃は、「そんな店、こっちからお断りよ!」
そう、言ってやりたいくらいです。(^_^;)

拒否が2回目というKEIRUは、恵まれているのかもしれません。
先輩ユーザーさん&盲導犬たちは、そういう事を何度も体験し、
交渉してきたのでしょう。
悔しかったこと、いっぱいあったでしょう。
一度くらいで、悔しがっている暇はありませんね。
盲導犬がもっと受け入れてもらえるようにしなくちゃ。
それが、介助犬や、聴導犬にも繋がるように。
昨今、犬連れでレストランに行くことが流行っていますが、
そういう家庭のワンコの振る舞いが、盲導犬たちの受け入れにも
影響があるってことも、知ってもらわなくては。




小さな女の子

7/20/'01up!

山本くんとKEIRUと、某ファーストフードに行きました。
休日で店内は人でいっぱいでした。
私たちは、通路脇にある席に腰を下ろすことにしました。
椅子の下にKEIRUの入るスペースが無かったので、KEIRUの体は、
ちょっとだけ通路にはみだしてしまうことになりました。
お店のお姉さんたちは、みんな優しく応対してくれましたので、
とても居心地良く過ごすことができました。
ただ、店内に入ってくるお客さんたちは、ほとんどの方が、
足元を見ないで、お店の奥にあるカウンターを目指しているようです。
KEIRUの足やシッポが踏まれちゃうんじゃないか??って
実はヒヤヒヤしていました。

何組かのお客さんが、無事に通り過ぎた所に、小さな女の子が
やってきました。年は4歳くらいでしょうか?
その子の表情が、一瞬固くなりました。
「あ、もしかして、怖がっちゃうかな?(^_^;)」と心配していると、
その女の子は、次の瞬間、後ろを振り向きました。
後ろには、さらに小さな(2歳くらい)女の子がいました。
そして、その妹のワンピースのお腹のあたりをムギュッとつかんで、
KEIRUの足やシッポを踏まないように、カバーしたのです。
さらに、その後ろを歩くお父さんの大きな足の向こうずね辺りに手を伸ばして、
「踏んじゃぁ〜ダメッ!踏んじゃぁ〜ダメッ!」と半泣きになりながら
守ろうとしてくれたのです。
お父さんにとっては、KEIRUの体をヒョイとまたぐくらいは
簡単なことなので、足がKEIRUのすぐ近くまで寄っていても、何の問題も
なかったのですが、小さな女の子にとっては、まるで踏んでしまいそうに
見えてしまったのでしょう。
必死の防御に、お父さんは苦笑していました。(笑)
あんなに小さい体にも、こんなに豊かな気持ちがあるのですよね。
大人も負けてはいられませんね。(^^)




あ〜うれしいなぁ〜。

6/8/'01up!

久しぶりのあれこれ。
みなさま、決してサボっていた訳ではありません。
ネタが無かったのです。(笑)
今日は、久しぶりに嬉しかったことがありました。
それは、山本くんの家の近所にある割烹のことです。
そこは、美味しくて新鮮なお魚を食べさせてくれるお店で、
近所でも評判のお店です。
山本くんは、KEIRUと暮らしはじめる前には行ったことが
ありましたが、KEIRUが来てからは、何となく遠慮していました。
生物を扱うお店で、こぢんまりしたお店なので、いくら盲導犬とは言え、
遠慮があったのでした。
今日は、ひょんなことから、そのお店にテイクアウトはできないか?と
お願いすることになったのです。
知人と、桃で、お願いしてあったお造りを取りに行きました。
その時、桃は、KEIRUをリードで連れていました。(お散歩の代行?)
お店の前で、家庭のワンコと同じようにKEIRUと待っていました。
KEIRUも、山本くんが居なければ、ハーネスが無ければ
家庭のワンコと同じなのです。
(盲導犬は、訓練を受けたコンビで歩くことではじめて認められます。)
知人が、お店の中で、お店の方とやりとりしているのが見えました。
話が終わって、知人がお店から出てきました。一緒に、お店の方も
出てきました。
軽く会釈をすると、KEIRUを見て、「あ、いつも歩いている子ね。」と
声をかけてくださいました。
『ど〜しようかな・・・』と一瞬悩んだのですが、思いきって聞いて
みました。
「あのぉ、この子と一緒にこちらのお店に入れていただくことはできますか?」と。
すると、「盲導犬でしょ?だったらもちろん大丈夫ですよ!」と
明るい声で答えてくださったのです。
たった、それだけのこと、と言ってしまえばそれまでなのですが、
ず〜っとあきらめていたお店だったのが、実は、話のわかるお店だった
ことが、とても嬉しかったのです。
東京では、断られることの方が少ないとは言え、はじめてのお店に
入るというのは、実は、勇気の要ることだったりします。
ダメそうだと思っても、諦めずに、聞いてみることを忘れては
いけないのかもしれませんね。

山本くんの家に戻ると、KEIRUは、山本くんの元に突進して行きました。
私もその後を追いかけて行き、山本くんにそのことを報告しました。
すごく嬉しそうでした。
マッサージの仕事を通して、お客さんと、近所の美味しいお店の話を
することも多いらしく、行ってみたいとずっと思っていた様です。
今度は、KEIRUと一緒に行って、美味しいお魚を堪能することでしょう。

盲導犬を受け入れてもらえるお店が、もっともっと増えますように・・・。