山本くんとケイルは、1998年9月のはじめに、
二人になって初めての海外旅行に出かけました。
これは、山本くん本人がニフティサーブの
フォーラムに投稿したものを、転載しています。(^-^)
(一番下の1から順番にお読みください。)

ところが、ふたを開けてみると、現地でのトイレの事が、大問題と
なった。
アメリカは日本よりも、犬に対する文化は長いし、盲導犬も日本とは
比較にならないぐらい進んでいる。
だからケイルも私も安心していた。
ところが、トイレ問題が起こり、もう一つの予期せぬ事態が起こった。
「事件が起こった」というよりも最初から最後まで、このことで悩んでいた。
それは団体旅行の中に盲導犬が入り、いっしょに行動をすることである。
結論を先にいうと、ケイルと私は完全に、みんなから離れてしまったことである。
つまり、ほとんど私とケイルとだけで歩いていたのだ。周りに誰かがいれば
「右に行って」とか「左に階段があるよ」などといってくれるが、歩いていると
みんなから離れてしまう。
この旅行は視覚障害者も参加できるツアーである。
健常者と視覚障害者の数は同じぐらいであるが、専属のパートナーはいない。
その場その場でペアーが決まってくる。
前年まではそれでうまくいっていた。
私も白杖を持っているときは、誰かが声をかけてくれて、いっしょに
歩いてくれた。
しかしケイルと私を見て、「ケイルがいるからだいじょうぶね。」と、
思ったのか、私とケイルを介助してくれる人がだれもいなかった。
近くにいれば声をかけてくれるのだが、買い物などで店に入れば、
バラバラになってしまう。ケイルと私はいつも取り残された。
私はこれではいけないと、バスの中でマイクをもらい、盲導犬と歩く人の
指示の仕方などを話した。
「後ろから声をかけて下さい。」とか「ケイルは自分で階段やドアーを
探します。」などの、盲導犬の基本を説明した。
これで少しはわかってもらえると思った。
しかし、私は大事なことをみんなに伝えていなかった。
「誰か私の介助をして下さい」と。
ケイルがいても初めての場所は、指示がないとうまく歩けないことを。
目的地までの地図が、頭にあるから歩けるのです。
もちろん初めての場所でもあやふやな情報だけで歩くこともあります。
それでも少しは情報がないと、ダメですね。
これは盲導犬とか視覚障害者とか関係ないです。
たとえば「山本の実家に行って下さい」といわれても、知らなければ
いけませんよね。
「静岡県の賀茂郡で・・・。」といった情報があるから行けるのです。
私はその情報を周りの人の声や足音から集めて歩いていました。
みんなで行動するときはまだ良かったです。
盲導犬との歩行は三つの方法があると思います。
ひとつは、盲導犬とユーザーとの単独歩行。
ふたつ目は、盲導犬とユーザーが、後ろから指示を受けて歩く。
三つ目は、介助者の肩を借りて歩く。
私は、ケイルが介助者の肩を借りて歩くのが、好きではないようなので、
ハーネスを持って歩くことに執着してしまった。
そのために、みんなとの行動がうまく行かなかった。
やはり「臨機応変」ということが大事です。
ケイルといっしょに歩くことも大事だが、団体で移動するときは、
介助者の肩を借りて歩くことをした方が良いときもある。
「なんのためにケイルと歩いているのか?」という気持ちもあるが、
せっかく遊びに来たのだから、私もケイルも遊んでしまえば良かった。
今回の旅行は、新米盲導犬と、そのユーザーには過酷な旅行だったが、
その事を経験できて、来年につながったと思う。
「大変でしたが、来年も行きますか?」という質問に、「もちろん行きます!」と
私は答えるだろう。
来年はケイルも私も、楽しい旅行になりそうである。
これで「ケイルのアメリカ旅行記」は終わりです。
長い間お読み下さってありがとうございました。
健康診断書をもらいに、病院へ急行。
それから夕食を取るためにレストランへ急行。
時間が押していたためケイルのトイレに行っている暇がなかった。
最後におしっこをして7時間。水をたくさん飲んで6時間。
普段ならとっくにトイレに行かせている。
唯一、安心できるのは移動がほとんど車だったという事である。
しかしトイレの時間には違いない。
トイレに行くタイミングを逃しながら食事が運ばれてくる。
スペイン料理の店で、フラメンコの踊りを見せてくれるが、
心はトイレに向かっている。
ケイルはときどき姿勢を変えているが、そわそわした様子はない。
しかしケイルのタンクには水が満ちているに違いない。
そろそろ、食事が終わりそうだ。「ケイルのトイレを行かせたいのですが」と、
向かいに座っている人に尋ねた。
私は予期しない返答にあぜんとした。
「この辺は、トイレにいい場所はないよ」というものだった。
「えっ!それじゃあどうするんだろう?」
その人の説明によると、ポートランドの町はとてもきれいで、
犬にトイレをさせていい場所が見つからないということだ。
しかし、どんなにきれいにしていても、路地裏や、街路樹が植えてある
場所ぐらいは、あると思った。
しかし、それらもないらしい。それでは、道路と歩道の境目はどうだろう。
そこもダメらしい。つまり、きれいすぎて、その場所に座ったりして、
ベンチ代わりにしているらしい。
町もブロックごとになっていて、ブロックの回りを歩道が囲んである。
建物と建物の間はない。つまり路地がないのである。
さあ困った。私は自分がトイレに行きたくて、いらいらしているように、
いらいらしてきた。
ケイル、もう少し我慢をしてくれ。解決策がでない。時間が過ぎる。
結局、店をでるまでトイレには行けなかった。
店をでてトイレに適した場所を探さなければならない。
運良く、警官が通ったので、聞いてみる。
3ブロック先に、公園があると教えてくれた。
どうにか公園にたどり着いた。ハーネスをはずしてやり、おしっこをさせた。
ケイルは大量のおしっこを、滝のように、公園の土の上に放出した。
やはりそうとう我慢をしていたのだろう。よく頑張ったね。
おしっこはしたが、うんちはしてくれなかった。
もう、うんちをしても、よいはずなのだが。
みんなから遅れてホテルに着いた。
ホテルの敷地もトイレに適した場所はないようだ。
敷地にびっしりと建物が建っている。
これからみんなで買い物に行くらしい。
ケイルは疲れているだろうし、あまり歩いてトイレに行きたくなってもすぐに、
対応できない。そこでケイルは部屋で休んでもらうことにした。
それが間違いだったかもしれない。
買い物から帰ってくると、当然のようにケイルは喜ぶ。
少ししてから、同室の人が「なんか臭くないか?」といった。
なんとケイルが、嘔吐していたのだった。
いや、うんちもしていたようだ。
日々の疲れ。昼に水をやりすぎたこと。それと初めての所で、
1人にさせられた不安。
これらのことで、吐いてしまったのだろう。
うんちも私がもっとしっかりとトイレをさせていれば、こんな失敗はなかったと思う。
トイレの時に、私の気持ちは「まにあってよかった。」という気持ちと、
「どうしてここまで我慢をさせなければいけなかったのか」
「はやくしてくれよ!みんな待っているのだから」という気持ちで
ケイルのトイレをさせていた。
ケイルはそんな私の気持ちを察していたのだろう。
「こんなんじゃ、落ちついてうんちが出来ないよ」と思っていたに違いない。
ケイルにはほんとうに申し訳ないことをした。僕がもっとしっかりとしていたら、
ケイルにつらい思いをさせなかったのに。どうしてケイルの気持ちを察して
あげられなかったのか?ケイルは悔しかったと思う。
ケイルのプライドを傷つけてしまった。
僕も悔しくてしかたがない。悔しくて、悔しくて。
そして悲しくて、悲しくて(;_;)
他の部屋の人も、心配して来てくれた。
その人たちにケイルの事を説明していたが、思わず言葉に詰まってしまい。(T_T)
みんなが掃除をしてくれた。うれしかった。
掃除をしていたり、話をしていたら朝になってしまった。
きれいに掃除をしたがケイルはまたはいてしまった。
もう掃除はしていられない。
簡単に掃除をして、ホテルにまかせることにした。
それからケイルを公園に連れていき、トイレをさせた。
おしっこしかしなかった。
もう一度飛行機に乗る前にトイレに行かせる時がある。
私は、この旅行でつくづく、他の協会でやっている、袋におしっことうんちを
させる方法だったらよかったと思った。
これならば、さほどトイレの場所や時間を考えなくてもすむ。
ケイル!ほんとうにごめんね!
次からはこんな失敗はしないようにするからね!
ケイルのことを思うと、つらい旅行になりました。
つらかったのは、このトイレ騒ぎだけではありませんでした。
団体旅行における、盲導犬の歩行について、次でお話しします。
どうにか約束の時間に、間にあった。
ケイルは、どうして、健康診断を受けなければいけないのか。
健康診断書にエンドースメントが必要なこと。それらのことは、
前もってジョーに話してある。
しかし、うまく獣医さんに伝わるのかはちょっと?いや!かなり心配である。
後から英語が堪能な人が来るのでそれまでの辛抱だ。
ジョーが事務の女性に話をしている。私には、ときどき知っている単語が
聞こえて来るだけでチンプンカンプン(^^;)
ジョーの後ろにケイルといっしょにたたずむだけであった。
話が終わったのだろう。私とケイルは、診察室に招かれた。
小さい部屋で、ドアーのすぐ横に長椅子があり、そこに座った。
ケイルからハーネスをはずしてやり、足下にダウンをさせた。
少しどきどきしているようで、ケイルはきょろきょろしている。
やがて女性の獣医さんが来た。
ケイルの名前を聞くなど、私にも対応できる英語で、
話をしながらケイルを診ている。
とてもよい犬だとほめてくれた。
耳を診て、「耳がよくないですね」といわれてしまった。ケイルは慢性的に、
外耳炎になっているのだ。
「掃除をしておきましょうか?」と、聞かれたので、ついでだから、
してもらうことにした。
これがケイルと私にとって重大なことになるとは、まったく
思いもよらないことだった。
獣医さんはケイルを診てくれている。肛門で体温も測っているようだ。
ひととおり見終わったようだ。
「それでは耳の掃除をしましょう」と彼女は言った。
私は目の前の台に乗せるのだと思った。
しかし、診察台だと思っていた台は、ただの机だった。
彼女はケイルのリードを、私から奪い取ると、奥の方に歩き始めた。
「いったいどこへ?」私の心配を知らぬように、
彼女とケイルは奥の部屋に消えていった。
日本の病院では、目の前で治療をしてくれていた。
とても不安になった。
多分、子供の手術を待っている、母親の気持ちと、同じなんだろうなと思った。
奥の部屋からケイルの「ひーひー」という声が聞こえてくる。
いつもだったらそばにいて「グッド!グッド!」とか「だいじょうぶだよ!」
などといって、体をさすってあげられるのに。ただ待っているしかない。
後で聞いた話だが、アメリカではこういうスタイルらしいです。
日本でも、このような所もあるんだろうな。
しばらくしてケイルと彼女は帰ってきた。ケイルは僕に飛びかからんばかりの、
喜びようだ。ケイルをめいっぱいほめてあげた。
部屋から出ると、ツアーの仲間で英語の話せる人が来ていた。
事務の人と話をしている。カードで支払いを済ませて、病院を後にした。
健康診断書はもらえたのだが、エンドースメントはもらえなかった。
やはり、私の事がうまく伝わらなかったようだ。
結局、たいへんな思いをして、ケイルの耳掃除で、終わったようなものだった。
この時点で、ケイルの自宅検疫は30日に確定しました。
次はアメリカのポートランドにおけるトイレ騒動です。
ここで日本に帰国して自宅検疫に必要なものを列記してみます。
1。 1年以内に接種した狂犬病予防接種の証明書。
2。 最寄り駅から自宅までの地図。
3。 家の中の間取り図。(犬の普段の居場所に記を)
4。 自宅の全景の写真。
5。 玄関の写真。
6。 犬のいる場所の写真。
これらのものが自宅検疫には必要です。
それ以外にも数通の書類を提出します。
それ以外に、渡航先の獣医の健康診断書があれば、検疫期間が
2週間に短縮されます。
ケイルはその健康診断書をもらうためにポートランドの獣医さんに行きました。
しかし、健康診断書にエンドースメント(裏書き)といわれているものを、
アメリカ政府の農務省からもらわないと有効ではありません。
その獣医さんが本当に政府から認められた獣医かどうかを確認するのです。
結果をいえば、今回このエンドースメントをいただけませんでした。
詳しくは後述します。
ケイルを、乗馬をさせる場所につれていこうか、それとも、コテージで
留守番をさせようか悩んでいた。
私は、つれていきたかったのだが、馬のいる所で、犬を飼っているらしい。
私が、ずっと付いているのなら良いのだが、今日は乗馬である。
しばらくの間、ケイルと離れてしまう時間がでてくる。
その時に何かがあってはたいへんである。
それで私は、悩んでいた。
しかし、乗馬のスタッフから「犬はつないでおきますので、
ケイルを連れて来て大丈夫です。」と、連絡があった。
私とケイルは、ここで別れ離れにならずにすんだ。
私たちは2台のトラックの荷台に分乗して馬場へ向かった。
ケイルを荷台に乗せるのに、最初は抱き抱えて乗せたが、2度目からは
ケイルを荷台の下で待たせて、私が先に荷台に乗り、ケイルを「カム」で
呼んだ。ケイルはひょいっと荷台に乗ると、しっぽをぶんぶん回す。
「どんなもんだい!」といいたいのだろう。
ケイルの頭を「よくできたね」となでてあげる。
数分で馬のいる場所に着いた。
さすがに馬の糞やら何やらの臭いが強い。
しかし、あっという間になれてしまった。
犬の鳴き声もする。馬のいななきも聞こえる。
ここは、足の不自由な女性が、馬に乗りたいという事から、
この施設ができたそうだ。
その彼女は電動の車椅子で移動していた。
ここでは馬に乗るのにプラットホームから乗るのである。
足の不自由な人に配慮したものだ。
その彼女からこの施設の説明と、乗馬について簡単に説明を受けた。
乗馬をするグループと、馬の手入れや、馬の説明を受けるグループに
分かれる。
私は馬の説明を受けるグループ。
馬の所に行くために、ケイルを日陰にあるピクニックテーブルに
チェーンでつないでステイさせる。
ダウンの指示をしたが、ケイルは「どうするの?どこに行くの?」と
思っているのか、少しばたばたしたが再度の命令で静かにダウンをした。
「ステイ」の言葉を残して、私はケイルのそばを離れた。
馬の説明を、聞いたりしている時は、ケイルは静かだった。
私の姿が遠いなりに見えていたからだろう。
私たちのグループが、馬に乗る番が来た。
ケイルを横目で見ながら馬に乗る。馬の名前は「サー」である。
サーといってもわからないのではない。
私たち視覚障害者は、ボランティアの女性が馬を引いてくれた。
歩くのは原生林の中に作られた小道である。ボランティアの女性と、
たどたどしい英語で話しながら、森の中を数頭の馬が1列になって歩いた。
ケイルはどうしているだろう?おとなしくしているかな?
およそ3・40分ほど歩いて帰ってきた。ケイルの「クーン、クーン」という
声が聞こえる。やはりさみしかったのだろう。
私たちと交代したグループの人が「ずっと泣いていたよ」と教えてくれた。
本来ならば、しからなければいけないのだろう。
私の姿が近づくと、体中で喜びを表す。
もちろんダウンはしていない。
これもしからなければならないが、とてもいとおしくてしかれない。
それどころか「ごめんね。さみしかったね。」などと言って、
だらしない飼い主である。
乗馬をしたのは午前と午後。それから翌日の午前中である。
つまりケイルは3回もひとりぼっちにさせられたのである。
飼い主のわがままとはいえ、ケイルにさみしい思いをさせてしまったかな?
でもこれから、このようなことはいくつもあるだろう。
それから、どうしても離れなければならないことも起こるだろう。
これも訓練だと人間のかってな理屈にケイルは、「僕を独りにさせないでよ」と
いう様子で、私に甘えてくるのだった。
次は、アメリカの動物病院のお話です。
オレゴンのクラカマス川にやってきました。
川を見ているケイルは普段よりも落ちつきがありません。
やはり、血が騒ぐのでしょうか?
それとも不安な気持ちがあるのでしょうか?
ラフティングは大きな、ゴムボートでおこないます。
私は3回目のラフティングです。もちろんケイルは初挑戦です。
この日のために、TDLに通ったのです。←ほんとう?
ジャングルクルーズで船を知って。
イッツァ・スモールワールドで楽しさを知り。
トムソーヤの筏で冒険をし。
カリブの海賊でスリルを味わい。
長野の千曲川でカヌーに乗り、ほんとうの川を体験し。
保津川の川下りで、最後の調整をしてきました。
もう私たちにやり残したことはありません。
ただ、目の前のボートに乗りこむだけです。
1艘のボートに7・8人乗ります。
各自、パドルという水をかく物を持ちます。
大きなしゃもじを想像し、それをスマートにさせた物だと
思えばよいでしょう。
水辺までみんなでボートを運びます。
水はとても冷たく、足に刺激を軽く感じます。
ケイルをリードで引っ張りながらボートの中へ。
ケイルは少し戸惑っていたが、ひょいっとボートの中に入りました。
私は所定の位置に座り、ケイルは私と隣の人との間です。
私は前から3人目の左側です。
私の後ろにはドン・シェラーさんという、このラフティングの
リーダーの人が座りました。
ケイルのリードを一応私の足に縛っておきました。
いい忘れましたが、みんな救命胴衣を付けています。もちろんケイルもです。
私は川にケイルが入ったら、どのようにボートに、ケイルをあげればよいか
不安でしたが、救命胴衣に持つところが付いていてそれであげるそうです。
さあ!いよいよボートをこぎ始めました。
まずはみんなのボートを操る練習です。
かけ声はもちろん英語です。
英語がわかるのかって?
毎日ケイルに「ライト・レフト・ごー・のー」としゃべっていますから
安心して下さい。
練習も終わり、ボートは急流に向かいます。
え!?「ケイルの様子は」って!?
それはもちろん、おとなしくしているわけがありませんよ!
前足をボートの縁に乗せて、いつでもダイビングができる格好で
スタンバッています。
パドルが漕ぎにくくて仕方がありません。
さすがに急流のところでは、ボートの中央の所定の場所にもってきます。
そこにダウンをするか座らせたいのですが、水がたまっていて、
ケイルはほとんど立っていました。
急流のところではパドルを止めて、ボートにしがみつきます。
ケイルはおとなしく立っています。
急流が終わり、緩やかなところではみんなでパドリングです。
ボートは全部で3艘です。ここで、水の掛け合いの、ウォーターファイトをしたり、
水に飛び込んで泳いだりしました。
もちろんケイルも飛び込みましたよ!
私が先に水に入り、それを追いかけるようにケイルも水の中へ。
水がとても冷たくて息が苦しくなりボートにすぐに上がりました。
ケイルはボートの縁をばしゃばしゃ叩いています。
ケイルも上がりたいようなので、救命胴衣の持つ場所を持ってボートに
引き上げました。
ぶるぶるっと体をふるわせて尻尾を振ります。
ケイルも冷たかったが、うれしかったのでしょうか?
ケイルは泳いでいる人がいるといっしょに泳ぎたいようです。
私がボートの上にいても、水に飛び込みました。ちょっと泳いでは私の
そばに来ます。ケイルを再び持ち上げてボートの中へ。
例のごとく、ぶるぶるっとして、周りの人に水のシャワーを。
急流のポイントは3・4カ所ありゆっくりと川を下っていきました。
途中の中州で休んだりしながらゴールの場所へ。
ケイルは、盲導犬であり、カヌー犬でもあったのですが、
ついに、ラフティング犬にもなりました。
ケイルといっしょの川下り。とても楽しい一日でした。
川の水がもう少し、暖かかったらよかったと思う。
もっとケイルと泳ぎたかったな。
夏の海ではケイルの爪攻撃にあったが、今回は救命胴衣のおかげで無傷でした。
僕たちをボートに乗せてくれた、ドン・シェラーさんたちに感謝します。
次は、乗馬です。
もちろんケイルが馬に乗ったわけではありません(^_^;)
ポートランド空港に着き、ケイルの「ワンツー」(おしっこ&うんち)
をすませる。
搭乗前に水をひかえたとはいえ大量のおしっこが滝のように。
やはり我慢をしていたんだな。「よく我慢をしていてくれたね。ご苦労様」
参加者の荷物が、ふたつも紛失するという、ハプニングがあった。
そのために、お昼ご飯はベトナム料理からなんとマクドナルドの
ハンバーガーに急旋回(^o^)
しかも、バスの中で(^_^;)
左手にハンバーガー、右手にはポテト、足の間にコーヒーを
←どないして、食えっていうんや!!
おかげで、時間どうりに盲導犬の訓練所につきました。
まず、ここの訓練所の印象は、「広い」という言葉につきます。
どこか(アイメイト)のように町中ではなくて広い敷地の中に建物が
点在しているのです。
建物は総て平屋です。(たぶん)
敷地の端から端まで歩いたら5分はかかるでしょう。
広いという感じの次に、きれいという印象が来ます。
ちょうど掃除の業者が来ていて、掃除をしていたせいかもしれません。
使用者と盲導犬のいっしょの訓練の期間は、人によって違うようです。
でもおよそ3・4週間ぐらいです。だいたい日本と同じです。
実際、そこの犬が歩行をしているのはみられませんでしたが、交差点の渡り方は
アイメイトなどとほとんどおなじようです。
ちなみにここの施設は、使用者との訓練だけで、それ以前の訓練は他の場所で
やるようです。
犬舎に行きましたが、ここでも犬が吠えています。
時間がたてば吠えなくなると言っていましたが、アイメイトの、ほえさせないと
いう徹底ぶりには頭が下がります。
アメリカでは犬は吠えて当たり前だという考えもあるようです。
全体的な盲導犬に対する考え方は、アイメイトというよりも、関西や、大阪の
訓練所に近いと思います。
もちろん、犬との遊びも大切なコミュニケーションのひとつと考えていて、
柵で囲ったグランドがありました。
それから、ここでも猫の歓迎に会いました。
犬も猫になれておかなければいけないといっていました。私もそう思います。
ケイルは猫に向かって行くところがあります。
今度アイメイト協会に猫を飼いませんかといってみよう。
「とんでもない!」といわれちゃうかな?
訓練生が寝泊まりしている部屋に、それぞれ小さいグランドがあり、
そこで、ワンツーをさせるようです。これはとてもよいですね。
最後に、とても驚いたことがあります。
所内に専属の獣医さんがいて、簡単な手術ぐらいは、ここでやるようです。
手術室はもちろんレントゲン室もありました。
これらの施設は、総て寄付によって運営しているようです。
建物の中に、売店があり、Tシャツ・スウェットの上下などを売っていました。
私はゴムのブラシを買ってきましたら、日本でも売っているようでした。
もっとじっくりと見学をしたかったのですが、そこは団体旅行のつらいところ。
我々はバスに向かいました。
私は今まで、日本の盲導犬訓練施設は3カ所、アメリカで1カ所を見学し、
盲導犬に対する考え方などを聞いてきました。
それで感じるのは、なぜアイメイトだけが、他の協会と違うのか?と
いうことです。
盲導犬の訓練に限らず、犬の訓練はさまざまだと聞きます。
犬に対する考え方が違うのですから仕方がありませんね。
問題のひとつは我々盲導犬の使用者および、これから盲導犬を持ちたいと思う人が
それらの訓練所を選択しにくい、または、選択できないということです。
果たして、どのように犬と接するのがよいのか?
次はいよいよ、ラフティングです。
さあ!みんな笑って!
空港編でブレークしてしまいましたが、気を取り直して、
飛行機に向かいましょう。
荷物を預けてから身体検査のゲートに向かいます。あのピンポンとかブーなどの
金属の物を持っていると、警告音がでるところです。
そこで私とケイルがゲートをくぐると案の定。ブーとおならの音(^^;)
いや、ブザーの音。
私は時計・ベルトのバックル家の鍵を持っていたし、ケイルのハーネスや
チョークチェーンも金属です。
私は男の人にボディーチェックをさせられました。
しかしケイルのチェックはありません。
そうです「盲導犬が仕事をしているときには触ってはいけない」ということを
守ってくれたのです。
そんな事でケイルをチェックしなかったわけではありませんよね!
よし!次に飛行機に乗る時に、ケイルに卍をくわえさせて乗り込んでみよう。
Hさん貸してね(^_^)
無事に関所を越えていよいよ飛行機に乗り込みます。
ケイルにとって初めてのフライトです。
搭乗口で素敵なスチュワーデスさんのお迎え。
みんな口々にケイルをほめてくれます。ビューティフルドッグ!ぐっどドッグ!
ケイルは誇らしげに尻尾を振って飛行機の中へ。
座席は足下の広いところをリクエストしておきました。
真ん中の島の、映画などを写す、スクリーンの前です。
とても足下がゆったりしていて、ケイルはまったくきゅうくつ
そうではありませんでした。
もちろん長旅なのでハーネスをはずしてあげました。ケイルは私の足のしたに
丸まってダウンをします。
ラブって体が柔らかいのですね。
アメリカに着くまで、ときどき体の位置を変えますが一度も立ち上がることは
ありませんでした。
飛行機のエンジン音が大きくなり、飛行機はゆっくりと滑走路に移動します。
ケイルは丸まっているだけです。
滑走路の端に来て、いよいよテイクオフです。
エンジンの音がさらに大きくなり、あの独特の緊張感が機内に満ちてきます。
少し緊張している私は、機内の緊張感でさらに緊張を増します。
飛行機はゆっくりとした動きから、加速度的にスピードを増やして行きます。
軽く背中に圧迫感を感じつつ、飛行機は地球の引力に打ち勝とうとして、
ばく大なエネルギーを放出しています。
機体から悲鳴のようにきしみ音を出しながら、大空に向けて機種を上に上げて
いよいよテイクオフです。
この大事な時に、ケイルの様子といえば最初にダウンをしたままです。
「こいつねているのかな?」とケイルに軽くふれると、「なあに」というように
頭を持ち上げました。
「なんでもないよ」といいつつ頭をなでてあげると、ケイルは静かに
頭を下げました。
やはり何度もディズニーランドに行って、たくさんの乗り物に
乗せたのがよかったのかな?
飛行機はやがて水平飛行に移り、機内に安堵感が漂います。
スチュワーデスさんによる機内サービスが始まります。
私のところに来るたびにケイルをほめていきます。
ビジネスクラスのスチュワーデスさんもわざわざケイルのところにやってきます。
決して私のところではない(;_;)
これは帰るの飛行機の中でも同じでした。
行きも帰りも、ケイルはおとなしくダウンをしていて、立ち上がることは一度も
ありませんでした。しかも帰りの飛行機はスチュワーデスさんによる機内サービスが
中止になるぐらい揺れましたが、ケイルは「関係ないよ!」と、寝ていました。
ただ食事が回ってきたときは鼻をひくひくしていました。ちょっと我慢をしてね。
飛行機が着陸するときもケイルはおとなしくしていました。ポートランドに
着いたときは、バウンドするぐらいの、失敗着陸だったけれども、
ケイルは我関せずでした。
飛行機から降りるときも、ケイルにはスチュワーデスさんから挨拶があるのに
私にはほとんどありません。やはり主役はケイルなのでしょうか?
さあ!いよいよアメリカの土を踏みます。
ケイルにとって未知の世界。いや私とケイルにとってでした。
ケイルと私は、旅行にいっしょに参加するIさんたちと、
リムジンバスで成田空港に着いた。
海外旅行はケイルにとって初めてである。もちろんケイルと成田に来たのも
初めてである。
集合場所にSさんを残し、私とケイルとIさんで動物検疫所に向かった。
動物検疫所は空港建物の6階にあります。
ここで手続きを済ませ、ケイルに排便をさせた。
事務所の隣に動物を排便させるところがあった。
広さはおよそ6畳ぐらいだろうか?
これから長旅なのでしっかりと排便してもらいたい。このような所なので
落ちついてできないか不安だったが、ケイルはあっさりと、おしっこもうんちも
してくれた。
生き物を海外に出すのは簡単だが、日本国内に入れるのがやっかいだ。
盲導犬とはいえフリーパスではないのです。
手続きを済ませ、ロビーで何人かと、集合時間を待っていると、
次のような事がありました。
ソファーに腰をおろし、ケイルを足のしたに入れてダウンをさせていました。
すると私の前に男の人が来て、「恐れ入りますがロビーに犬は入れないで下さい。」と、
丁寧にいいました。
私は少し驚きましたが「盲導犬なのですが」と答えると、その人は「すみませんでした」
といって立ち去りました。
隣の人と「普通はロビーに犬は入れないんだね」と、言葉を交わし、
それはそれですみました。
次に帰国したときです。←話がいきなり飛ぶ(だって空港ですからね)
入国手続き・税関・動物検疫をすませてロビーでたっていました。
すると、またまた「ロビーでワンチャンを歩かせないで下さい」です。
私は「またか!」と思いました。「盲導犬なのですが」というと
その人は「盲導犬でもロビーを歩かせてはいけないことになっています」といいました。
私はあっけに取られるのと、そんな馬鹿な事があるわけがないと思いました。
喧嘩でもしようかと思いましたが、逆に遊んでやれと考え
「空港に着いてからロビーを通らないでどのように帰ったらいいのですか?」
と、質問をすると、彼は「何で帰られるのですか?」と逆に質問。
「リムジンバスで帰ります」というと、「バス乗り場はそちらですので」
と、わかっていることを答える。
私は「はい」と答えただけで引き続きたっていると、その人は「ワンチャンは
ロビーを歩かせないで下さい」と攻撃を再びくわえて来た。
私は尽かさず「到着したらどうやってロビーを通らずに帰ればよいのですか?」と、
攻撃を交わすが、相手はまったく喧嘩にならない。
たぶん私が海外からケイルといっしょに帰国したとは思っていなかったのだろう。
ケイルといっしょに出迎えに来たと勘違いをしたのだろう。
しかし、どちらにしても「盲導犬でもダメ」と言い切るところは拍手ものである。
もう少しこのおじさんと話をしたかったのだが、上司のような人が来て
「どうしました」というのでいきさつを説明すると「すみません。盲導犬でしたら
よろしいです」といって下さり、ダメだといったおじさんと何やら話を始めました。
バスの時間が来て、私たちはバス乗り場に、向かって歩き始めると、
先ほどのおじさんが
「さきほどは失礼しました。どちらへ行くバスに乗るのですか?」と聞いてきて
「箱崎です」と答えると、「箱崎行きはあちらです。お気をつけてお帰り下さい」
と、やけに低姿勢になり、おかしくて笑うのをこらえるのに必死でした。
でもそのおじさんもいい加減です。規則で盲導犬でもダメだというのですからね。